人生には時として挑戦が必要な時がある
だがチャレンジは時として失敗を産む
ベトナムに来てからずっと気になっていたものがある
そう、青空カットだ
初めて見る文化にやってみたい心が疼く
危ないのは知っている、ミスるのもだいたい予想はできる
だがダメだと分かっていてもやりたくなってしまうのが人間の性だ
それに日本だったら自分もやりはしないだろうが、旅というものは判断を鈍らせる
話してみて危なそうな人だったらやめておこう
浮かれすぎないよう自分を抑制しつつ、意を決して話しかけてみる
ピカ:「こんにちは、ここカットできます?」
床屋:「できるぞ」
ピカ:「いくらですか?」
床屋:「25000ドン(=120円)だ」
やっす!でも逆にこえー!とりあえず値下げできるか聞いておこう
ピカ:「もうちょっと安くなりませんか?」
すると、この質問に対し店主は「俺はこの職業に誇りを持っているんだ、値下交渉なんて野暮なことするものではない」
とでも言わんばかりの態度で値下げを拒否して来たのだ!
おぉこれは信頼できるぞ!
床屋のプライドに満ちた言い方で切る決心がついた
ピカ:「失礼しました。ぜひカットお願いします。」
そして今、待ちに待った青空カットが始まる
周りはこんな感じだ、まさに青空カット!
髪を切る顔は真剣そのもの
これは間違いなく職人の目つきだ
やっぱりそうだ
こんなに誇り高い彼が青空の下でカットしてるのは、日の目を見ていないだけなのだ
むしろ自分には先見の明がある
彼の言動だけでホンモノであることを見出したのだ
弟子も見守っている
作業の途中、どうやら刈り上げをどの高さにするかで迷っているみたいだ
東南アジアや中国人のツーブロックを見たことがある人はわかるだろうが、彼らは日本のツーブロックと比べて結構上まで刈り上げている
弟子がいい例だ
彼ぐらい刈り上げるのがベトナムの一般的なものなのかもしれない
だが、日本人の僕にはさすがにこれは似合わない
自分はもともとツーブロックだったので、刈り上げはそのライン合わせてもらえばいい
だが彼はもっと刈り上げたいみたいで悩んでいる
床屋:「刈り上げの高さはここまででいいか?」
ピカ:「いや、この元のラインでお願いします」
当然英語はほとんど通じない
理解しているかどうかはわからないがボディーランゲージで必死に伝える
ジジジジッー
バリカンを動かす手が進む
進む
進む・・・
いやちょっと進みすぎじゃない??
ピカ:「あのすみません、もう大丈夫です」
床屋:「分かった、ここまでだな」
ピカ:「そうそうここまでです」
無事に刈り上げゾーンは終わり他のところを切り始める
そして時間が経ち
再度バリカンを持つ
ジジジジッー
あれ、さっきここまでって言ったのに・・・
ピカ:「あのちょっと、もうここまでで大丈夫ですよ!」
床屋:「おう、そうかそうか」
弟子の指導にも熱が入る
そして再度バリカンを持ち
ジジジジッー
ピカ:「うん、おっけ!もう大丈夫、大丈夫だから、もうこれ終わりでお願いします!!」
床屋:「そうか、分かった」
そして出来上がった完成品がこちらです
うん、完璧に刈られすぎてる
それにしてもこの床屋さんめっちゃいい表情笑
彼の満足そうな顔を見てたらなんかまぁいいかなと思えてきた
ということでベトナム青空カット
料金:25000ドン=120円
場所:ハノイ Hang Dau Gardenの北側の道
所要時間:30分
興味ある方はオススメです
この後はラオスに出発する
宿に荷物を取りに帰ってバス乗り場へ移動する
ここハノイから次の目的地、ラオスのルアンパバーンまではなんと地獄の27時間ドライブ・・・!
そのためイスが普通のではなくベッド式になってる
それにしても車内のライトカラフルすぎる
ここはクラブか
寝かそうとしてるのか寝かせないようにしてるのかわからない仕様だ
夜の18時、地獄の27時間ドライブが出発した
2時間ほど立ったところで、定食屋に止まった
兄ちゃんがマイクパフォーマンスでお土産を捌いている笑
海外のバスはわからなくなるとやばいので、降りる前に写真を撮った方がいい
車内に戻って寝ようとするが相変わらずカラフル過ぎる
アイマスクを持って来たのはほんと正解だった
一眠りして目が覚めると日をまたいだ午前0時過ぎ、月明かりしか見えずよくわからないのだが、外は雨が降っているらしく、窓には水滴が付き、地面は濡れている
このハノイ - ルアンパバーン間のバスは山岳地帯を通る。転落の危険もあるらしいとネットで見たので雨で滑らないか心配だ
そんなことを思いながら再び寝りについた